取扱分野

 

事務所紹介

交通事故

■交通事故による示談成立のための手続
<自賠責保険に対する被害者請求>

人身事故の被害者は、相手方が法律上加入を強制されている自動車損害賠償責任保険に対し、自ら保険金の請求を行うことができます。  
一般の保険に比べて、保険金の上限が死亡事故で3000万円、後遺症を残す場合で4000万円と低額であることや人身事故にしか対応できないなどの制限はあるものの、過失相殺が認められにくいなどの有利な点もありますので、利用を検討する価値はあります。
自賠責保険によって支払われる保険金額は、一般的に相手方の加入している任意保険により支払われる金額よりも低額ですので、自賠責保険に対する被害者請求を先行して行い、その後、相手方の加入している任意保険による損害の填補を求めるということもしばしば行います。

<交通事故紛争処理センター( http://www.jcstad.or.jp )>

自賠責保険の運用益によって運営されており、相談、和解のあっせん、審査会による裁定などの紛争解決手段を提供しています。保険会社の資金による運営されている財団法人ですが、相談、和解のあっせん、審査会などは、すべて弁護士によって行われますので、公平性に不安はありません。最大のメリットは、加害者側の保険会社には、和解のあっせんに応じる旨の取り決めがあり、さらに裁定に対して被害者は、同意するかどうかの自由を有しますが、保険会社側は裁定に従うことになっていることです。ご利用はご自身でも可能ですが、手続などが不安な場合には、当事務所でも手続のサポートを行っています。

<日弁連交通事故相談センター( http://www.n-tacc.or.jp )>

日本弁護士連合会が運営する交通事故に関する相談及び示談斡旋を行うセンターです。全国154か所で弁護士無料で相談業務を行っており、全国37か所で示談斡旋が行われています。相手方の加入する保険会社により、利用の可否が決まりますが、大多数の保険会社は加盟していますので心配は不要です。こちらも、ご利用はご自身でも可能ですが、手続などが不安な場合には、当事務所でも手続のサポートを行っています。


■交通事故による損害の賠償額
<治療費>

 加害者が任意保険に加入しており、加害者側に過失があることに争いがない場合には、保険会社から診療機関に対して直接全額が支払われることが通常です。

<入院付添看護費・入院雑費>

 被害者が交通事故による傷害の治療のために入院している間に、医師が付添いが必要と判断し、実際に近親者が付き添った場合には、1日につき6000円前後の付添看護費が認められます。
また、被害者が、交通事故による傷害の治療のために入院している間、1日につき約1500円の入院雑費が支払われるのが一般的です。

<通院交通費・通院付添費>

 交通事故の治療のために必要となった通院交通費については、公共交通機関を使ったものについては全額が支給されます。タクシー等についても傷害の程度や交通機関の便などを考慮して相当性があれば認められることがあります。領収書等をきちんと保管しておきましょう。
 被害者の方が、小学生以下の幼児・児童の場合や高齢の場合には、付き添った家族の交通費や1日3000円程度の通院付添費が支給されることが多いです
 治療が長引いた場合には、仮払いという形で治療の途中で保険会社から支払いを受けることができる場合もあります。

<休業損害>

 交通事故による治療期間のうち、就労が不可能であった期間及び就労が制限され収入が減少した期間について、現実に得られなかった収入額が補償されます。
 原則として、過去3か月の平均収入の税込み額を基準に就労が不可能であった日数を乗じて計算されます。専業主婦の場合にも、女性労働者の平均賃金を基準に就労不能期間につき、休業損害が支払われます。

<入・通院慰謝料>

 いわゆる交通事故により怪我をしたことに対する慰謝料です。交通事故により怪我をした場合、体のどこを怪我したか、どこくらいの痛みを伴ったか、その怪我に対してどのくらいの慰謝料で満足できるかは、個々の事故や個人の交通事故に対するとらえ方で様々です。そこで、判例は、原則として、治療期間に応じて慰謝料額を決定するという立場を取っています。
 例えば、治療のために2ヶ月間通院した場合の慰謝料は、31万円〜57万円となります。
 例えば、治療のために3ヶ月間入院し、退院後6ヶ月間通院した場合には、141万円〜261万円となります。
 但し、通院期間が長くても通院頻度が少ない場合には、実通院日数8日を1カ月とみなして、修正通院期間を算出します。例えば、交通事故から3カ月の間に8回しか病院に行かなかった場合には、1か月の通院とみなして慰謝料を計算することになります。

<後遺症慰謝料>

 交通事故によって、治療によって完治しない後遺障害が残った場合に、その後遺障害に対して支払われる慰謝料です。後遺障害については、原則として、自賠責後遺障害等級表の1〜14級の何級に該当するかにより慰謝料額が決まってきます。
 例えば、中指を失った場合には、後遺障害等級11級に該当し、360万円〜430万円の後遺障害慰謝料が支払われることになります。
 例えば、片足が全く動かなくなった場合には、後遺障害等級5級に該当し、1300万円〜1500万円の後遺障害慰謝料が支払われることになります。
 なお、後遺症は、治療を継続しても改善の余地がない状態に至った、すなわち「症状固定」の状態になった時に認定を受けることになります。「症状固定」は、後遺症認定の時期を決めるとともに、これまで保険会社から支払われていた治療費が「症状固定」以降は、支払われないことをも意味します。症状固定の時期の判断は、非常に難しく、保険会社との間で争いとなることが多い問題の一つです。専門家に相談して、慎重に判断することをお勧めします。

<死亡による慰謝料>

 交通事故の被害者が死亡してしまった場合に、残された家族が受け取る慰謝料です。人の命に値段は付けられませんが、これまでの判例の集積により、死亡者の年齢や家族構成などにより、死亡者が一家の支柱であった場合には、2700万円〜3100万円と言われていますが、個別の事情がかなり考慮されるため、これよりも高額になることもあるようです。

<後遺障害による逸失利益>

 交通事故により後遺障害が残ると、事故前と同じ仕事に就くことが困難となったり、事故前と同程度の収入を得ることが困難になることがあります。後遺障害により、このような労働能力の喪失があった場合に支払われるのが、後遺障害による逸失利益です。
 後遺障害による逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数という数式で計算されます。
 例えば、年収500万円の40歳の方が、交通事故により片目の視力を失った場合には、基礎収入が500万円、片目の視力を失った場合には後遺障害8級に該当し、原則として45%の労働能力を喪失したと認定され、67歳までが稼働年数とされていますので、喪失期間は27年となり、これに対応するライプニッツ係数は14.6430です。
 つまり、この場合の後遺障害による逸失利益は、500万円×0.45×14.6430=3294万6750円となります。
 専業主婦など、家事労働に従事している人についても女性の平均的な収入を基礎に逸失利益が計算されます。

<死亡による逸失利益>

 交通事故の被害者が死亡してしまった場合、被害者は将来得られたであろう収入を失うことになります。これにより残された家族が路頭に迷わないために認められるのが、死亡による逸失利益に対する補償です。
 死亡による逸失利益は、基礎収入×生活費を控除した率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数という数式で計算されます。
 例えば、年収600万円の50歳の方が、死亡した場合には、基礎収入が600万円、生活費を30%控除した残りが70%、67歳までが稼働年数とされていますので、就労可能期間は17年となり、これに対応するライプニッツ係数は11.2740です。
 つまり、この場合の死亡による逸失利益は、600万円×0.7×11.2740=4735万0800円となります。これは、死亡した被害者に対して補償されますので、相続人が法定相続分に従って取得することになります。

<弁護士費用>

 保険会社との交渉では、自らが依頼した弁護士の費用を相手方に請求することはできませんが、交通事故による損害賠償請求が訴訟に至った場合には、判決で認められた額の1割程度が弁護士費用相当額の損害として認められることがあります。
 なお、実際に自らがいいした弁護士に支払う費用は、それぞれの弁護士との契約で決まりますので、判決で認められた金額とは異なることにご注意ください。

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