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対談 星野監督夢を語る

本来のFA制度とは

[写真の説明]星野監督酒井それと,今監督からちょっとお金の問題が出たんですが。FAについても本来あればドラフトとのリンクでFA制度が出来て来たんだけれども,今の日本のFAは必ずしもそういう機能をしていないんですが,そのへんはどうですか。

星野FAというのは選手の権利で,いま8年ですか。アメリカの場合は,Aクラスの選手が例えばヤンキースからドジャースに移ったとした場合には,ヤンキースのドラフト1位権利をドジャースに与えると,お金で解決せずに,要するに戦力で解決していく。日本の場合はドラフト指名権とは関係なく,補償金だとか,何だとか何でもお金で解決するというふうになっている。アメリカ,アメリカ,というならアメリカのものを完全にピーすればいいんで,アメリカの悪いところにプラスアルファーを又悪いふうにしているというのが実情だね。これは非常に改革を阻止している一つの大きな要因だと思うよ。

酒井例えばですよね,複数年契約とか,インセンティブ契約というのは本来,今の野球の協約では出来ないことになっているんですよね。

星野そう,そう。

酒井それが堂々と新聞にも出る,やっているということはさきほど言われたように,本来ルールがあるのにの関わらず,それに違反している。そのことにつき,マスコミも何ら疑問を していない。そういうものがまかり通っているのはまず一つ不思議だなあと。

星野やっぱり野球協約というのは法律と一緒ですからね。野球界の法律なんだから。ただ,それを裁く人がいないわけですから,本来裁くのはコミッショナーなんですが。また,それを調査したり審議したりする機関も機能していない。だから事業としてはものすごく僕は野球界というのは遅れているし,平気でルール破りをしているんだから。今,警察のことを言えんわな(笑い)。プロ野球はみんな見て見んふりをすると,慣れあいになっているというのが実状で,野球協約に則った行動をしていないのが現実だよ。

酒井本来,せっかく選手会という組合を作ってやっているわけですから,アメリカのように,もし複数年契約あるいはインセンティブ契約が,よいとするなら野球協約を改定すればいいわけです。僕はちょっと選手会にも残念だなあと。いろいろやろうとしているんだけれども,むしろそういう基本的なところを野球機構側と充分協議をして替えていくということが必要だと思いますよ。

星野選手側も機構側も,それぞが自分の利益を追求して,どちらも利己的なものの考え方で,交渉をしているような気がしているね。共存共栄して,お互いに利益を求めましょうと。我々もしっかり収入を得ましょうと,どうも自分たちの立場だけの主張をするという,そうういうふうな打算が浮き彫りにされたような交渉の仕方が非常に強い。交渉というのはそんなもんかなあとは思うけれども,少し共存共栄というものを考えていけば,入場料も安くなるだろうし,球場の使用料も安くなるだろうし,いろんな意味で無駄が多いよね。また,複数年契約なんていうものは,やっぱりハングリー精神というのをなくすわな。

酒井監督としては単年でやっていくと。

星野単年勝負ですよ。身体を張って勝負するわけでしょう。一年一年じっくりやって成功を得るというのが我々の勝負ですからね。複数年契約すると,やっぱりどっかで人間甘くなりますよ。動物だって腹一杯の時は餌をとらないですからね。

酒井最近は全体に選手にハングリー精神が少なくなってきているということなんですか。

星野少なくなったというよりも死語に近いでしょう。今の日本の環境から考えてみると,ハングリーなんていうのは,死語に等しいものですよ。やっぱり実力でいかないかんですよ。複数年契約をするとどうしても甘えが出てしまう。選手には一年一年勝負してほしいよ。

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