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対談 星野監督夢を語る

代理人の導入について

酒井最近代理人制度を導入するということが問題となっています。日弁連も今度選手会といろいろ話をして協力をすることになったんですが,この制度はどうでしょうか

星野代理人ね。代理人というのは,いいだいりにんならいいんですよ。ところがアメリカのような,最近は少し変わってきたかも知れませんが,一時はもう代理人が強くて,例えば星野という選手がいると,これはドラゴンズの選手じゃないわけですよ,代理人の選手なんですよ。だから今のFAでもどんどんチームをかわるじゃないですか。トレードもどんどんするじゃないですか。球団の現状を無視して個人を応援するということですよね。だから僕はぢりにんが出てきてもべつにいいんですけれども,代理人が選手になっちゃいけない。あくまでもそのチームの選手としての代理人というもの考え方でなければいけない。代理人ですべての契約を割り切ろうとすると,今までの,じゃあドラゴンズで7年も10年も頑張ってきたのに,その功績はなんだというようなものがまったくなくなってきますね。割り切られますよ。だからある意味では契約更改なんかは代理人がいた方が球団はやりやすいと思いますよ

酒井今監督言われたように,代理人の資格をどうするかという問題ね。最近はアメリカでも登録制にして,研修をやったりとかですね,おかしなやつはなるべく出さないようにとかしてますよ。我々も選手会から相談受けてるのは,一応とりあえず代理人資格を弁護士に限定し,そこでしかも登録をさせて,研修をしていこうと考えています。しかも,全員つけるというわけじゃないわけですから,希望者があれば立ち会う,立ち会うけれども,まったく代理人サイドでものを決めるということをしないのは当然で,本人のアシストをするということですよ。そういう形で関与したらどうかということですが。

星野僕は,我々より弁護士さんの方が頭がいいから,いろんな条件を付けてくるだろうと思うよ。それでその代理人という,今言われた弁護士がなるでしょう。そして,その代理人の下に5人も10人も,多いところでは20人も30人も,ファーム選手まで代理人をつけるというふうなやり方もあるわけですね。そういうときに,もっとも日本の場合は,そんなに込み入った契約内容というのはないとは思いますが,,後はインセンティブの問題ですよ。

それをどういうふうにするか,本人,選手個々の実状を生かしたものにしていかなければ損なわけですから。アメリカの場合,例えばサンディゴパドレスの選手が昨年ドジャースに5年契約か7年契約かちょっと定かじゃないけれども移籍をした際,その中に社のジェット機を年に4回ファミリーで使えるとか,それから遠征はスイートにしろだとか,そういうふうな代理人入ってくると考えられないような条件を出してくるんじゃないか。それを会社がのむか,のまんかは別としてね。

しかし,そんな一流の選手の場合は球団がほしいものだからどうしても全部のまざるを得なくなってしまう。そうすると莫大なお金がかかってくる,だからそういうふうな給料体制などにあまりにもバランスがとれないようなことになると,チームワークというのがまずくなってくるね。それでもお国柄だからと割り切って契約という社会に生きている。日本の場合はまだまだそこまでの大きな動きは出てこないんじゃないかなと。最近の若いやつはドライになったというけれども,まだまだ日本人の気質が残ているからね。冗談じゃない,あいつはあれだけもらっているんじゃなくて,俺もああだこうだというふうな条件がつくと,ひっちゃかめっちゃかになっちゃうから,それこそ今のアメリカのように限度がなくなってしまうから。そういう意味で,代理人制度を設けるなら講習もきちんとして客観的な基準や限度をいうものを考えてやってほしいよ。でないとアメリカのようになってしまい,殆どの球団が赤字ということになりかねない。

酒井そうですよね。

星野アメリカでは,一企業では球団を支えられない状況ですよ。沢山の投資家がお金を出し合って,一流選手を集めてワールドカップで優勝し,人気が出てきたところで今度はこれを売却するという極端な言い方をすれば人身売買近いところまできてしまっている。プロ野球はある意味で,人身売買的な所もあるけれども,そういうイメージが受け入れられるのか。やはり,チームあっての選手ということだと思うよ。

酒井我々も相談受けて考えてる範囲というのは,今,監督が言われたようなバランスを崩すという発想はまったくないですよね。ただ,例えば新聞でしかわかりませんけれども,阪神なんかだと,要するに査定の仕方が不公平じゃないかというようなことを選手会言って,今度,球団が文章で回答するというようですね。だからそういったいろいろ研修も,いろんな球団の査定の方法とかですね,そういうこともいろいろ勉強して,そういうものにのっかって,不公平のないようにとかですね。ある程度,例えば,中継ぎの評価はどうだとか,勝ち星の評価はどうだと,いうようなことを前提にアドバイスができればと。選手自身もアメリカのような強い代理人を考えているわけじゃないと思いますよ。そういう意味で,我々もプロ野球界にいくらかお役にたてるかなあと。

もう一つは,今私がプロ野球に注目しているのは,さっき言いましたように,いろんな協約があっても必ずしも守れていない,例えば調停制もあるけれども,あれはもうオーナー側が出てやるわけですから,調停制度としても不完全なものなんで,例えば,少し外部の人を入れるような組織にしたらどうかとか,そういう基本的な組織の客観性の担保みたいなですね,野球協約の妥当性や実効性等のルールの確立にある程度ものが言っていけたらなあということは思っているんですが。さて,監督はいつも色紙に「夢」いうふうに書かれていますね。このことについては,いろんなところで聞かれていると思うんですが,それについて少しお聞かせ下さい。

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