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ミャンマー司法制度視察旅行

弁護士 田邊 正紀

2016年03月

 2016年3月16日から21日にかけて愛知県弁護士会の有志12名と共にラオスを訪問し、同国の法制度を視察した。近年、ミャンマーがアジアの最後のフロンティアとして注目を集めているが、 ヤンゴンでは賃料や人件費が急速に高騰しており、政治的な不安要素とも相まって実際の投資意欲は予想ほどではないとも言われている。 一方、ラオスはまだまだ物価や人件費も安く、これからの国なので、本当のアジア最後のフロンティアかもしれない。
 
 3月17日午前には、司法研修所を訪問した。ラオスの司法研修所は、2015年4月にスタートしたばかりで、まだ1回生125人が卒業した実績しかない。 1年間の研修の内6カ月が理論面、6カ月が実務修習とされている。研修所の教官は、実務修習期間が短すぎるため修習期間を延長すべきと考えているようであり、1年間の修習では実力がつかないという問題意識は日本と共通であると感じた。 一方、日本とは異なり、修習生には1か月90,000キープ(ラオスの平均月収の70%程度か)が支払われており、万全とはいえないまでも勉強に打ち込める体制が整っている。 訪問の最後に、授業風景を見学させてもらいましたたが、皆目が輝いていたのが印象的であった。
司法研修所での会談

司法研修所での会談 (画像を再度クリックすると元のサイズに戻ります)

司法研修所での会談
 
 3月17日午後は、ラオス国立大学に設置された日本法センター(名古屋大学CALEが設置)を訪問し、日本の弁護士制度について講義を行った。 ラオスでは、弁護士は不人気職業ということであったが、講義の後、学生からは日本の弁護士の実態について鋭い質問がなされた。私たちの講義が、ラオスの弁護士の地位向上の一助になれば幸いである。
 
 3月18日午前は、首都裁判所及び最高裁判所を訪問した。最高裁判所裁判官11名の内3名は日本留学経験者であり、皆流暢な日本語を話した。ラオスは社会主義国であることから、 検察官が法の番人として民事訴訟にも関与する形態がとられているのが特徴的であった。 また、裁判傍聴は可能だが、判決は公開されておらず、このことが裁判の質や結果の予測可能性の向上の発展を大きく阻害しているのではないかというのが私の個人的感想である。
 
 3月18日午後は、ラオス弁護士会を訪問した。ラオスの弁護士会は、総数約200名であり、実働約100名と言われている。 弁護士会長は、65歳位の方であったが、50歳過ぎに公務員を早期退職し、ベトナムに留学して法律の勉強をした後、弁護士になったということであり、広い視野をもった方であるという印象であった。 ラオス弁護士会に対しては、日本弁護士連合会が継続的な支援を行っているので、今後も友好関係を継続していきたいと思う。   今回の訪問では、弁護士事務所の訪問は予定されていなかったが、現地で裁判所のロビーに「弁護士募集」の張り紙を出していたZICO Lawという法律事務所に現地でアポを取り訪問した。 ZICO Lawは、マレーシアを拠点にアジア8か国に支店を有する国際的な法律事務所である。ラオス事務所の所長はフィリピン人弁護士であり、ざっくばらんな雰囲気の中、お互いの仕事の内容を共有し、将来の協力関係構築の可能性について協議できた。

ラオス弁護士会との懇親会 (画像を再度クリックすると元のサイズに戻ります)

ラオス弁護士会との懇親会

クアンシーの滝 (画像を再度クリックすると元のサイズに戻ります)

クアンシーの滝
 3月19日には、ラオスの古都ルアンパバーンに移動して、文化施設や自然環境の視察を行った。 要するに観光であるが、ルアンパバーンは、アジアで今一番熱い観光地(テレビ東京「未来世紀ジパング」2016年3月7日放送)と呼ばれるにふさわしい観光地であった。 車で1時間ほど行ったところの「クアンシー滝」という中国の九寨溝のミニチュア版のようなところを見学に行ったが、それほど人が溢れているわけではなく、川に入って遊ぶこともできるなど、落ち着いて自然に浸れる雰囲気であった。 市内では、文化施設やナイトマーケットなども充実していたが、何と言っても「托鉢体験」が一番の目玉であった。 托鉢体験」といっても、袈裟を着て食料等をもらうために列を組んで歩くわけではなく、修行僧に食料等を寄進することを体験するというものである。寄進するお米やお菓子は、托鉢僧が通る路上で売られており、路上には「托鉢体験」する観光客用の椅子や御座が見渡すかぎり並んでいる。

托鉢体験 (画像を再度クリックすると元のサイズに戻ります)

托鉢体験
籠に入ったご飯やお菓子を寄進するのだが、私たちが「体験」したのが日曜日の朝だったこともあり、托鉢僧の抱える壷(のようなもの)がいっぱいになり、寄進されたお菓子をビニール袋に入れて歩いている年少の僧侶の姿も多く見かけた。 あまり観光化されるのも考え物だが、ぎりぎりのラインで観光と伝統文化が融合している光景であった。 ラオスには、2016年3月現在、愛知県弁護士会から棚橋玲子弁護士が、JICA法整備支援専門家として赴任している。今回の旅行のアレンジも同弁護士によるところが大きい。この場を借りてお礼を申し上げる。


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