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ロンドン家族法学会報告

弁護士 河西 辰哉

2016年10月

視察旅行について
 2016年10月22日から26日まで、愛知県弁護士会国際委員会の企画として、有志12名とともに、ネパール国司法制度視察旅行に行ってきました。
 今回の視察旅行の参加には二つの目的があり、一つは、当事務所にはネパール人の依頼者が来ていただくことが多いため、その文化的な背景を体感し、司法に関する知識を会得して仕事に生かすこと、 もう一つはヒマラヤ山脈をこの目で見ることです。
ネパール弁護士会

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ネパール弁護士会

ネパールについて
自身の影響の残るカトマンズの民家

地震の影響の残るカトマンズの民家
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地震の影響の残るカトマンズの民家
 ネパールは、100を超える民族を内包する他民族国家です。日本に来るネパール人は、2006年には8000人を下回っていたにもかかわらず、10年後の2016年6月時点では6万人を超えており、近年急激に増えています。 ここ愛知県にも、2016年6月時点で、約5000人のネパール人が住んでいます(※1)。 なお2015年に日本で難民申請を行った人の国籍としては、ネパール人の1768人が群を抜いて最多です(※2)。

※1 法務省−在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表
※2 法務省―平成27年における難民認定者数等について

アディカリ議員との会談

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アディカリ議員との会談
視察
 23日午前に、ネパールの国会議員として民法の立法に携わるアディカリ議員と、当視察団が会談しました。 同議員は、国会に設置された民法制定委員会の議長を務めおり、弁護士資格も有しています。ネパールでは19世紀に制定された、民事・刑事法の基本法たるムルキアイン法典という法律が未だに有効です。 この法典はとりわけ取引法の分野では現在の国際化・迅速化するビジネスに対応できていない部分があるため、現在ネパールでは、民事実体法の部分を民法として分離・独立させる作業を行っており、これをJICAが支援しています。 他方で民法には取引法のみならず家族法を規律する側面もあり、この分野は現に存在するネパールの伝統的な文化や価値観を尊重しつつも近代化を図る必要があり、クリアすべき課題は多いとのことでした。
 同日午前には、ネパール弁護士会にも表敬訪問を行い、会長や事務総長らと、愛知県弁護士会とのさらなる協力関係の発展について議論を深めました。 訪問後に弁護士会の建物の外に出てみると、弁護士会の建物の法律相談の窓口(文字通り窓越しに相談)に、相談者たちが列を作っているのが印象的でした。

会食でのスピーチ

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会食でのスピーチ
 24日夜には、アディカリ議員やネパールの弁護士との会食を行い、ネパールの伝統的な料理を食べながら、交流を深めました。
 25日には、ネパールの最高裁判所及びカトマンズ地方裁判所に表敬訪問を行いました。最高裁判所は2015年4月の大地震の影響を受けて、法廷が事務棟に仮設されていたのとは対照的に、地方裁判所は大きな施設内に多数の法廷室が設けられ、 開催予定の法廷がディスプレイに映し出されていたのが印象的でした。カトマンズ地裁の職員によると、同地裁には33名の裁判官が在籍しており、1人あたり200件〜250件ほどの案件を担当しています。 またネパールの裁判は口頭主義の色彩が強く、期日が1時間を超えることも多いため、期日の始まる時間の予想がしにくいとのことでした。


朝焼けとヒマラヤ山脈

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朝焼けとヒマラヤ山脈
最後に
 なお、第二の目的であったヒマラヤ山脈の鑑賞も達成できました。ポカラの丘から、ダウラギリ、アンナプルナ、マナスルを、朝日を背景に一望したあの風景は忘れられません (残念ながらエベレストを見ることはできなかったので、次回に取っておきます)。 私がガイドさんに「あの山は何という名前ですか?」と聞くと、「ネパールでは、5000メートル以下は山じゃないので、名前がないんですよ」と言われ、衝撃を受けました。


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